Domestic quantum computer equipped with our company's Cryogenic Low-Noise Amplifier begins operation
当社製の冷却低雑音増幅器(9848XA)が 大阪大学に設置された超伝導量子コンピュータ国産3号機 に実装され、2023年12月22日より稼働開始しました。
量子コンピュータは従来のコンピュータでは膨大な計算時間を要する問題でも瞬時に解ける可能性があるため世界各国で開発競争が繰り広げられています。様々な方式の量子コンピュータが研究開発されていますが、超伝導方式の量子コンピュータは最も有力な方法の一つです。
冷却低雑音増幅器の使用箇所
- 超伝導量子コンピュータの心臓部、極低温に冷却された超伝導チップから計算結果を読み出すのに使用されます
- 量子ビット数を増やすために量子コンピュータ内部に何台も実装されます
当社製冷却低雑音増幅器が実装された大阪大学超伝導量子コンピュータ内部写真
*大阪大学量子情報・量子生命研究センター様よりご提供
当社は超伝導量子コンピュータで用いられる極低温冷却のマイクロ波帯の低雑音増幅器を製作しております。
当社最新モデル(9848XD)の概要を紹介します。
当社製 冷却低雑音増幅器(9848XD)の仕様
動作周波数 | 8GHz ~ 12GHz |
利得 | 32dB 以上 |
雑音温度 | 6K以下(実力値3K~4K程度) |
消費電力 | 10mW以下 |
外形寸法 | 19.6×22×7.8 mm |
入出力I/F | SMAコネクタ |
動作温度 | 4K (摂氏: -269℃) |
カタログダウンロード
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冷却低雑音増幅器 9848XD
(サイズ: 176KB) [更新日: 2024/03/14 01:11]
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LNAバイアス電源 8841EA
(サイズ: 212KB) [更新日: 2024/03/14 19:21]
代表データ
極低温 冷却低雑音 増幅器とは
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低雑音増幅器(LNA)を極低温に冷却することにより、LNA内部で発生する雑音を減らすことが出来ます
- ex. 当社製 9848XD 室温: 雑音温度60K
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→ 極低温 [4K (-269℃) 冷却時]: 雑音温度3K
- 雑音温度(Te)とは雑音電力(P=k・Te・B)を熱雑音と見なして絶対温度換算したもの
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雑音指数(NF)との関係: Te=290・(NF - 1)
NF 1dB~Te 75K
- Te=3K は、NF=0.045dBに相当します
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ミリ波、マイクロ波帯の微弱な信号を低雑音増幅する目的で使用されます
電波天文、測地VLBI、深宇宙探索機(はやぶさ2など)との通信用途で使われており、近年では量子コンピュータでも採用されています。
最終更新日: 2024年04月15日 (月) 23:07